140929 : Monday2014年09月29日

Hand Embroidery : Tiger.
トラ


* * *
今朝、明るい窓際で、
一番白い糸でヒゲを刺繍して仕上げました。

刺繍糸は、白にも何色かあります。
今回は三種類の白を使いました。
画像だとわかるかどうかですが、
実物を見ると、わかるんですよー。
たのしいよー。
(わたしが)


画像の左端にモスグリーンの糸が写っていますが、
目の中に使いました。
三針ぐらい。
これは、実物を見てもわからないかもしれません。
そういうこともあるの。


* * *
“ 目のあるものと毛の生えたものの刺繍は不得手 ”
と、ブログに書きながら何故引き受けるのか?
と不審に感じる方もいらっしゃることでしょう。

手がけたことのない図案の
お問い合わせをいただいた場合、
「できるかできないか」ではなく、
「やるかやらないか」が最初の壁です。

最終的にはできないかもしれないんですが、
やってみないとわからないので、
やらせてください、とお返事します。

その代わり、イメージと違う物ができるかもしれないので、
その時はビジネスライクにお断りください、と
きちんとお伝えします。

傷ついたりしませんから、って。

* *
これが、安請け合いになるか、ならないか
というのが次に隔たる大きな壁です。

むしろ、それこそを最初に
見極めなくてはいけないのでしょうけれど、
なかなかむずかしいことです。

安請け合いになってしまった場合、
お客様に迷惑がかかりますし、
自分にもいいことが無いからです。

お客様にとっても挑戦、となってしまうので
いいのかなあ…と迷いもあるんですが、
今のところ、やらせてくださいとお返事しています。


* * *
いつか、出来るものと、出来ないものとを、
バシッと判断できる日がくるといいなと思います。

初手を誤らないというのは、礼儀ですから。


* *
今回のトラはどうかな。

トラはトラでも、こういうんじゃない、
というケースは往々にしてあるでしょう。

そもそも、自分でイメージしたものが
そのまま刺繍できる訳ではないのです。
このトラにいきつくまで何度か失敗しました。

しまじろうが出来上がりそうになって
訴訟は困るのであわててほどいたり。

あるいはネコ科ですらなく、
もう泣こうかな…と思ったり。

失敗の過程をお見せしても、
それはそれでおもしろいかもしれませんが、
このエレガントなブログ(まだ言うか…)に、
未知なるクリーチャーは載せません。


* * *
ご依頼いただいたモチーフが、
その後、定着する事もとても多いのです。
雀とか、カエルとか。
(あ、どっちもヨウコさんだ)

外からわざわざやってきて、
扉を叩いてくださる方がいるのであれば、
応えてゆきます。

ヘンテコな応答になっちゃうかもしれなくても、
あんまり恐れずに。
(大人ですから、最低限は恐れつつ)